オープンソースの優位性

オープンソース (open source) とは、ソースコードを公開することで、入手したプログラムを自分でも変更したり、再配布したり出来るようなライセンス形式のソフトウェアの事です。

「オープンソース=無料」というイメージが強いため、「安く利用できる」事だけが強調されがちですが、実際には経済的な要素よりも、むしろその開発コンセプトによる優位性のほうがその真価といえるでしょう。

多くのオープンソース・ソフトウェアは完全に無料で配布されています。
OSの”Linux”,”FreeBSD"はもちろんの事、WEBサーバーソフトとしては世界中でもっとも多く使われている”Apache httpd サーバ"などもオープンソースソフトウェアであり、今やインターネットの世界では、無くてはならないスタンダードといえます。
近年よく耳にする"クラウド"や"モバイル化"に関連したITの新しい流れの中で多くのサービスがオープンソースソフトウェアに深くかかわる形で生まれてきています。
Googleのサーバは全て"Linux"で構築されており、アマゾンも"Amazon Webサービス"をオープンソースソフトウェアの仮想化ソフト"Xen"と"Linux"で提供していると言うことです。

初めてオープンソースソフトウェアを利用してのサービス構築を検討している方にとっては、そのデメリットや危険性も当然気になるところでしょう。
何せ、無料で提供されているものを利用するわけですから基本的には自己責任。万が一問題が発生したときに誰かに責任を求めることは期待できません。 実際オープンソース・ソフトウェアのほとんどのライセンスでは、責任を放棄する事が記載されています。
それでも企業として「商売」でオープンソースを利用するメリットはあるのでしょうか?

■ 信頼性

有料であれ無料であれ、プログラムにはバグはつき物です。
しかし、ソースコードを直接見て、いじる事が出来るオープンソースでは、知識さえあれば利用者が自らすぐにバグを修正することが出来ます。
また、修正されたバグはほとんどの場合コミュニティなどを通じて開発者にフィードバックされます。このように無料で提供することで圧倒的多数が早く利用してバグを見つけ、それをフィードバックする活動を通して、"Linux" などの有名なソフトウェアの場合、すでに商用ソフトウェアよりも信頼性が高いと考える人も少なくありません。
中身がブラックボックスの公開されないソースコードではどのようなプログラムが動いているのかチェックする事ができません。もし、悪意があるプログラムが隠れていたり、バグやセキュリティ上の脆弱性があったとしても、プログラムを開発したベンダーしか確認や修正を行う事ができません。
ソースコードが公開されている事によって、不正なプログラムや脆弱性などのチェックも行う事ができるのは利用者にとっては大変大きなメリットといえるでしょう。

 

■ 安定性

多くのソフトウェアでは、販売元の企業の判断により(売れないソフトは)販売が停止され、サポート打ち切られたりすることもしばしばあります。また定期的なアップ グレードのための高額な保守契約を求められる事も珍しくありません。 しかしソースコードが公開されているオープンソースソフトウェアでは、多くの場合有志によるコミュニティで運営され、情報が共有されているため、利用者同士で通しでメンテナンスを継続する事が可能です。

 

■ 自由度

オープンソースソフトウェアは国際標準規格に準じる形で作られていますので、機能の拡張や他のサービスとの連携など、自分の用途に合ったシステムにカスタマイズして行く事が出来ます。また、一つの会社にカスタマイズを頼んで希望通りに出来なかった場合でも、同じオープンソースソフトウェアに詳しいほかの開発会社に相談できるため、全ての0にする必要がありません。

 

■ サポート体制

オープンソースソフトウェアのサポートを希望する場合には、「コミュニティ版サポート」と「個別契約に基づく商用版サポート」が考えられます。「コミュニティ版」は、ソースコードそのものと、掲示板などで共有された情報を元に、サービスの導入から運営まで全てが自己責任となります。 コミュニティはあくまでも利用者通しがお互いに支援しサポートするという位置づけのものです。
一方で「商用版サポート」であれば、通常のソフトウェアと同様にバグの修正や脆弱性対応、バージョンアップ対応などを有償であればこそ、迅速に責任を持って行なってもらうことが期待できます。

オープンソースソフトウェアの中には利用マニュアルが整っていないものもありますので、社内にシステムを管理できるエンジニアがいない(あるいは少ない)場合や、仕組みを理解する時間が無い場合などには、希望のオープンソースを得意とする専門業者にきちんとサポートを依頼するのが得策でしょう。

結論としては、オープンソースだから信頼性や安定性が有料ソフトより劣るわけではなく、むしろ安心して利用できる強力なツールであり、信頼できるサポート業者と協力することで安心して事業の拡大と効率化を進めることが出来るといえるでしょう。

当社では、当ウェブサイトに掲載しているオープンソースソフトウェアの活用とカスタマイズへの実績を積み、皆様のお役に立てるよう体制を整えております。